妊娠がわかってから実際に出産するまでには、入院・分娩費用はもちろん妊婦健診やマタニティ用品など色々な費用がかかります。
この記事では、それぞれの費用がどれくらいかかるかを項目別に解説していきます。
初めての子か2人目か、無痛分娩を希望するかなど、家族構成や分娩方法によっても金額は異なりますが、一般的にかかる費用がどれくらいなのかを事前に把握しておきましょう。
目次
- ○ 入院・分娩(出産)にかかる費用
- ・正常分娩での出産費用
- ・そのほかの出産費用
- ○ 妊婦健診の費用
- ・1)妊娠初期~中期(4週~23週あたり)
- ・2)妊娠中期~後期(24週~35週あたり)
- ・3)妊娠後期(36週~出産)
- ○ マタニティ用品やベビー用品
- ○ 出産費用は自腹??保険適用??
- ○ 出産で活用できる助成制度
- ・1) 出産育児一時金
- ・2) 出産手当金
- ○ しらさぎふれあい助産院での出産
- ○ まとめ
入院・分娩(出産)にかかる費用
正常分娩での出産費用
赤ちゃんを分娩し、退院するまでにかかる入院費用をまとめて出産費用と呼ばれることが多く、最もまとまった金額がかかる項目です。
分娩方法などによって金額は異なりますが、正常分娩の際にかかる費用について厚生労働省が調べた結果をご覧ください。
全国平均 482,294円
公的病院の平均 463,450円
私的病院の平均 506,264円
診療所・助産院の平均 478,509円
引用:厚生労働省「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果について」
正常分娩の場合でも、分娩から退院までには、分娩料や入院料のほかにも検査・薬剤料、処置・手当料など色々な費用がかかり、病院でも診療所や助産院でも金額にあまり差はないようです。
出産費用は都道府県によっても金額の違いは見られ、最も費用が高い東京都の平均が553,021円になります。地域差が出る理由はいくつか考えられますが、東京は多様なニーズにあわせてサービスや設備が充実している医療機関が多いなどが考えられます。
そのほかの出産費用
自然な分娩では、麻酔など医療処置を行わないため最も費用が抑えられており、麻酔など医療行為を行う場合は金額が高くなります。
例えば、無痛分娩での出産を選択される方も増えてきておりますが、無痛分娩は麻酔により出産時の痛みを和らげる分娩方法の為、自然な分娩に比べ、約10~20万程度費用がかかります。
帝王切開分娩では、出産前から計画的に実施することが決まっている「選択帝王切開」と、出産時の状態によって急きょ実施が決まる「緊急帝王切開」があります。
帝王切開は診療報酬点数表により分娩費は決まっていて、緊急帝王切開は22万2,000円、選択帝王切開は20万1,400円です(※)。
帝王切開は医療行為のため健康保険が適用されて分娩費の自己負担は3割で済み、高額療養費制度も利用できます。ただし、自然な分娩に比べて入院期間が長くなる傾向があるため、その分入院費用にお金がかかります。
※令和4年診療報酬点数表より
妊婦健診の費用
妊娠がわかった妊娠初期から出産するまでに定期的に行われるのが妊婦健診です。妊婦健診は妊娠週数によって検診の内容が異なります。
最初に妊娠が確定し母子手帳を発行してもらうと、同時に妊婦検診の補助券を受け取ることができます。補助券を使うと1,000~3,000円の自己負担額で妊婦検診を受けることができます。
1)妊娠初期~中期(4週~23週あたり)
妊娠初期は、4週に1回の頻度で合計4回の健診が基本ですが、妊娠11週までは、流産のリスクが高いことから、この期間は1~2週間に1回の健診をすすめられることもあります。
また、基本検査に加えて、血液検査・子宮頸がん検診・性器クラミジア・経腹エコーの検査を行います。
妊娠の可能性を感じて産婦人科を受診する場合、初回検診は全額自己負担になります。医療機関によっても差がありますが、妊娠検査を含む初回受診の際の相場は1~1.5万円と言われています。
2)妊娠中期~後期(24週~35週あたり)
妊娠中期は、初期に比べて早産が必要な可能性などを細かくチェックするため、2週間に1回のペースで合計6回受診することになります。
この時期は、基本検査に加えて血液検査・B群溶血性レンサ球菌(GBS)・経腹エコーの検査を行います。
妊娠中の赤ちゃんの様子が見られるエコー検査は、3Dエコーで立体的な赤ちゃんの様子が見られたり、最新の4Dエコーでは動画で見る事が出来るようになりました。
ご夫婦やご家族にとって、妊娠中の大事な思い出の1つになること間違いなしです。
3)妊娠後期(36週~出産)
妊娠後期は臨月に入り、いつ陣痛が起きてもおかしくない時期です。
後期では出産に向けた準備として、経腹超音波検査やNST(ノンストレステスト)、内診による子宮口の様子や胎児の降下具合を検査するため、週に1回の頻度で受診します。
この時期はいつ陣痛が起きてもあわてないように、早め早めに入院や出産後の準備も進めていきましょう。
マタニティ用品やベビー用品
検査や入院だけでなく、妊娠中のマタニティ用品から生まれた赤ちゃんの為のベビー用品の費用も考えておきましょう。
特に1人目の場合は、ベビーベッドや抱っこ紐・ベビーカーなど大きな金額がかかるものを準備しなければいけません。購入する物や数によっても異なりますが、10万~15万くらいは想定しておくとよいでしょう。
出産費用は自腹??保険適用??
妊娠は病気ではないため、基本的に健康保険の適用外となります。
妊娠が分かってから受け取る補助券を使ったあとは全額自己負担です。
その他でも、無痛分娩や個室での入院などを希望した場合は、自己負担となりますが、妊娠悪阻や切迫流産・切迫早産などの診断を受けて妊娠中に入院が必要とされるケースや、何らかの原因で帝王切開での分娩が必要と診断された場合は、健康保険が適用されることがあります。
但し、妊娠中の入院など健康保険が適用される場合でも、個室を希望した場合は差額分は自己負担になるので注意が必要です。
出産で活用できる助成制度
これまでの通り、妊娠・出産には色々な費用がかかり、保険が使えないと金銭面で不安になる方もいらっしゃるかと思います。
実は出産で活用できる助成金がいくつかあり、それぞれの精度の特徴や条件を知っておくことで、金銭的な不安なく出産を迎える事が出来ますので、事前に条件などをしっかり把握してきましょう。
1) 出産育児一時金
出産育児一時金は、妊娠4ヶ月以上の方が出産したときに受けられる制度で、赤ちゃん1人につき50万円(※)が受け取れる助成金です。
妊婦さん自身が健康保険などの公的医療保険に加入している、または扶養家族になっている場合に支払われるため、多くの人が対象となるので必ず把握しておきましょう。
出産育児一時金の支払いは「直接支払制度」と「受取代理制度」があります。
最近では「直接支払制度」が普及しており、出産費用から50万を差し引いた差額分だけ支払えば良いケースが増えています。
費用が50万円以下だった場合は、余剰分が還付されます。
(※)妊娠週数が22週に達していないなど、産科医療補償制度の対象とならない出産の場合は、支給額が48.8万円となります
[注4]厚生労働省「出産育児一時金の支給額・支払方法について」
2) 出産手当金
出産手当金は、女性が妊娠・出産で仕事を休んでいる間の生活保障を目的とした制度です。出産手当金の支払対象となるには、勤務先で健康保険に加入していること、
妊娠4カ月以降の出産で、出産を目的として休業していることが条件となります。
勤務先の健康保険等に加入していれば、正社員だけでなくパートなどの非正規雇用の方でも支給されます。
専業主婦や自営業・フリーランスの方は対象外となりますのでご注意ください。
こうした制度を利用することに加えて、妊娠したら、妊娠から出産まで、大きな病気などにならずに進んだ場合の、おおよその予算を考えておくことをおすすめします。産院も、場所や医者との相性に加えて、妊婦検診や検査、希望する出産プランにおける分娩費用の視点でもチェックして選びましょう。
しらさぎふれあい助産院での出産
自分らしい良いお産だったと産婦さんが思える事、それがしらさぎふれあい助産院の目指すお産です。
妊婦健診だけでなく、ゆっくりとお話しできる時間と冷え予防、腰痛やむくみなどの改善のために、安産に向けての体作り心作りのための癒しのケアとして、整体、楽健法、イトオテルミー温熱療法、クラニオセイクラルセラピー、アロマトリートメントなどの時間を設けております。
楽しく、スムーズな妊娠、出産、育児生活が送れるよう、食事や運動、冷え予防など体づくりのアドバイスをいたしますので、ひとつひとつ不安や心配事を解決し、一緒に出産・育児に向けて、準備していきます。
まとめ
妊娠してから出産までにかかる費用はこれまでお伝えしてきた通り、入院・分娩費用は50万円前後、マタニティー用品やベビー用品や妊婦健診の費用がかかります。
費用は産院や出産方法を選ぶ1つの基準になりますが、出産育児一金などの助成制度を使えば費用は抑える事ができるように、実際にかかるお金と補助制度を事前に把握しておくとより安心出来ますね。
それよりもお母さんがどうやって産みたいかや医者、助産師との相性は気持ちの部分でとても大事になります。
ぜひ、ママが安心してリラックスした状態でご出産できる場所をお選びください。